フランスワイン備忘録:ブルゴーニュ(Bourgogne)コート・ド・ボーヌとは?

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今回のテーマは「ブルゴーニュ(Bourgogne)コート・ド・ボーヌ」

この記事は、2023年2月15日現在の情報を基にしています。

目次

ブルゴーニュ(Bourgogne)コート・ド・ボーヌとは?

コート・ド・ボーヌは、ブルゴーニュで最も有名な産地である「コート・ドール」の南部 「コルトンの丘」のあるラドワ・セリニー村から「オスピス・ド・ボーヌ」で有名なボーヌの街を経て、温泉地サントネイの先まで広がる地域です。 

“モンラッシェ”“コルトンシャルルマーニュ”に代表される白ワインの名産地です。

コート・ド・ニュイがほぼ赤ワインの産地であるのに対し、多くの村で赤と白が造られています

コート・ド・ボーヌは、北部のコート・ド・ニュイに比べてなだらかな丘で、基本的に畑は南東向きで、コート・ド・ニュイに比べ例年収穫日が数日早くなります。 

土壌構成はコート・ド・ニュイより変化に富み、 泥灰土の豊富な地区(ムルソー 、ピュリニー・モンラッシェ、シャサー ニュ・モンラッシェ)と 「コルトンの丘」の上部は偉大な白ワインを産出します。

それ以外の地 区では赤ワインが適していますが、軽快でフルーティなワインから力強いワインまでタイプは様々です。 

オスピス・ド・ボーヌ

Hospices de Beaune

「オスピス・ド・ボーヌ」とはボーヌの街にある有名な慈善病院(オスピス)のこと。

15世紀に創設され、未だにボーヌの病人の世話を無料で行っています。

オスピスでは寄進されたワイン畑(殆どがコート・ド・ボーヌにある)から造り出されたワインを毎年11月の第3日曜日にオ ークション(競売)にかけ、そこから得た収益を慈善事業の活動資金にしています。 

このオークションが行われる日を含む3日間は 「栄光の3日間」 と呼ばれ、 ボーヌの街は世界中のワイン関係者で溢れかえり、さながら“ブルゴーニュワイン祭り” の様相を呈します。

また、ここでの落札価格はその年に造られたブルゴーニュワインの取引価格の目安となっ ており、世界中から注目されます。

ボルドーで言うところの「パーカーポイント」のような指標です。 

『オスピス・ド・ボーヌを語らずして、 コート・ド・ボーヌのワインは語れない』とまで言われてます。

コルトンの丘

コルトンの丘

コート・ド・ボーヌの北部には、有名な「コルトンの丘」があります。

この丘にはコート・ド・ボー ヌの赤ワインで唯一の GrandCru である「コルトン」、そして“フランク王国カール大帝の愛し たワイン”と言われている白ワイン GrandCru 「コルトンシャルルマーニュ」、そして「シャルルマーニュ」を合わせて3つのGranCruがあります。 

コルトンの丘は標高約400mの楕円形の丘で、 最上部は森に覆われています。

丘には下記3つのAOCが跨っています。

  • ラドワ・セリニ
  • アロース・コルトン
  • ペルナン・ヴェルジュレス

丘の上 部は泥灰土壌、中腹から下は鉄分を含む粘土が豊富な土壌に分れているのが特徴です。 

上部の“白い土”にはシャルドネ、中下部の“赤い土”にはピノ・ノワールが適しており、「コルトンシャルルマーニュ」は上部、「コルトン」 は中腹から生まれます。

円い丘に畑があることから、同じ「コルトンシャルルマーニュ」「コルトン」でも畑の向きによって、その風味が微妙に異なってきます。 

コート・ド・ボーヌのAOC について 

Pernand-Vergelesses

コート・ド・ボーヌの AOCは、北から順に次の通りです。 

  • ラドワ・セリニ
  • アロース・コルトン
  • ペルナン・ヴェルジュレス
  • サヴィニ・レ・ボーヌ
  • ショレィ・レ・ボーヌ
  • ボーヌ
  • ポマール
  • ヴォルネイ
  • ムルソー
  • ブラニィ
  • オーセイ・デュレス
  • モンテリ
  • サン・ロマン
  • ピュリニーモンラッシェ
  • シャサーニュ・モンラッシェ
  • サン・トーバン
  • サントネイ
  • マランジュ 

重要な赤ワインのAOC

  • アロース・コルトン
  • ボーヌ
  • ポマール
  • ヴォルネイ 
  • シャサーニュモンラッシェ
  • サントネイ

重要な白ワインのAOC

  • ムルソー
  • ピュリニー・モンラッシェ
  • シャサーニュ・モンラッシェ
  • ペルナン・ヴェルジュレス
    ※ペルナンヴェルジュレスはコルトンシャルルマーニュの一産地です。

重要な赤ワインのAOC:特徴

アロース・コルトン

黒い果実味が印象的なコート・ド・ボーヌの中では力強い味わいのワイン。

GrandCruコルトンの主産地

コルトンは、丸みのある果実味がボリューム感を伴い広がる芳醇なワインです。 

14の区画が1級畑として認められています。

ボーヌ

赤い果実味に溢れ、重くなく口当り滑らかなワイン。

フルーティで軽快な印象です。 

42の区画が1級畑として認められています。

ポマール

タンニンしっかりの力強い男性的なワイン。

スパイス、ヨードの香りが印象的です。

熟成するとなめし皮の香りが強く出て、鉄っぽい風味を帯びてきます。

長命な赤ワインの産地です。

28の区画が1級畑として認められています。

ヴォルネイ

ポマールとは対象的に果実味が優雅な女性的なワイン。

スミレ、イチジク、 紅茶の香りが印象的。

熟成するとトリュフの香りが強く出ます。 

29の区画が1級畑として認められています。

シャサーニュ・モンラッシェ

白ワインの産地として有名ですが、赤の畑も3割程度占めています。

赤ワインはチェリーと土っぽい香りが特徴のやや軽めなワインです。

55の区画が1級畑として認められています。

サントネイ

鉄っぽい風味のボディのあるワイン。

ジュブレ・シャンベルタンに似たニュアンスがあるのは、同じ土壌の区画があるせいかもいしれません。

12の区画が1級畑として認められています。

重要な白ワインのAOC:特徴

ムルソー

樽熟成からくる酸化熟成香(シェリー香) が印象的な、 酸が柔らかくボリューム感のあるワイン。

GrandCru は 「無し」。 

ピュリニーモンラッシェ

酸が美しくエレガントなバランスのとれたワイン。

フローラル、 ミネラリー、スモーキーな風味が印象的。

香りが華やかで繊細。

GrandCru は 「4つ」。 

シャサーニュモンラッシェ

蜜っぽいトロピカル・フルーツの風味が中心のワイン。

ピュリニーほどではないものの、しっかりとした酸を伴った、やや粘性のある円やかで柔らかな味わい。

GrandCru は 「3つ」。

今回のおすすめワイン

品種比率:全てピノ・ノワール100%

  • 2018年 A.O.C. サヴィニィ・レ・ボーヌ ルイ・ジャド
    1859年に創立した、ブルゴーニュでも有数のネゴシアン・エルヴール
    総面積154ヘクタールのブドウ畑を所有する大ドメーヌでもある

サヴィニー・レ・ボーヌ 赤[2018]年 (ルイ・ジャド)

価格:5,500円
(2023/2/24 01:20時点)
感想(0件)

  • 2016年 A.O.C. ポマール ルイ・ジャド

ルイ・ジャド ポマール [2016]Louis Jadot Pommard

価格:8,580円
(2023/2/24 01:20時点)
感想(0件)

  • 2018年 A.O.C. ヴォルネイ ルイ・ジャド

ヴォルネイ [2018] ルイ・ジャド <赤> <ワイン/ブルゴーニュ>【■3522LJH01800】※即刻お取り寄せ品!欠品の際はご連絡します!

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