フランスワイン備忘録:ブルゴーニュ(Bourgogne)コート・ド・ニュイとは?

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今回のテーマは「ブルゴーニュ(Bourgogne)コート・ド・ニュイ」

この記事は、2023年2月11日現在の情報を基にしています。

目次

ブルゴーニュ(Bourgogne)コート・ド・ニュイとは?

コート・ド・ニュイの概要

赤ワインの名産地(赤が9割以上)と知られ、ワイン好きなら一度は飲んでみたいロマネ・コンティ“ナポレオンが愛飲した”シャンベルタンの畑があることでも有名です。 

「コート・ド・ニュイ」はブルゴーニュで最も有名な産地である「コート・ドール」の北部、 ディジョンの南方からニュイ・サンジョルジュの南端(プレモー村)に至る地域です。 

コート・ド・ニュイは、南部のコート・ド・ボーヌに比べて斜度のある丘が連なり、基本的に畑は東向きで、朝日をたっぷり浴び夕日は控え目となります。 

土壌構成は「粘土石灰質」ですが、コート・ド・ボーヌより石灰質の多いところが目立ちます。 

そのため、泥灰土に適しているシャルドネ(白葡萄)より、 ピノノワール(黒葡萄)に向いています。 

修道院・教会との関係

この地区と切っても切り離せないのが、 『キリスト教シトーの修道院・教会』です。

有名なGrandCru「ロマネ・サンヴィヴァン」はサンヴィヴァン修道院、「シャンベルタン・クロ・ド・ベー ズ」はベーズ教会の所有をはじめ、 修道院・教会に由来する畑が随所に見られます。

“赤ワインはイエスの血”なので、中世の時代に修道僧達は少しでも質の高いワインができる畑を追い求め、きめ細やかに畑を区分しました。

その区分こそ、現在の GrandCru、1erCruの礎となっているのです。 

このように開墾された畑は、フランス革命によって“民の手”に渡ったわけですが、フランスの法律では相続財産は均等に分配しなくてはいけない事情から、畑の持分が細分化されて子から子に世襲されていった結果、畑の所有者が多数生まれ今日に至っています。 

品種・テロワール

ピノ・ノワール種はブルゴーニュの赤ワイン用の主要品種。

カベルネ種に比べ早熟で、石灰質土壌が適しています。

暑さに弱く、「冷涼な気候」を好みます。

果実味に富み、しっかりした酸、タンニンは繊細で控え目です。

カベルネ種やメルロ種とは異なり、 気候や土壌へ適応力が弱く、“気難しい”品種のため栽培地が限られます。 

ブルゴーニュの他、シャンパーニュで傑出したワインとなりますが、近年、研究が進みカリフォルニアやニュージーランドなど新世界でも良いワインが生まれています。

ただ、 美しく長期熟成できる可能性を併せ考えると、その類稀れな栽培環境であるブルゴーニュ(とりわけコ ート・ドール)が、 ピノノワールにとって最高の土地といえるのではないでしょうか。

コート・ド・ニュイのAOC

コート・ド・ニュイのAOC(村名)は、北から順に次の通りです。 

  • マルサネ
  • フィサン
  • ジュブレ・シャンベルタン
  • モレサンドニ
  • シャンボール・ミュジニー
  • ヴージョ
  • ヴォーヌ・ロマネ
  • ニュイ・サンジョルジュ 

ジュヴレ・シャンベルタンから南の AOC が有名です。

GrandCru は基本的に丘の中 腹に広がっており、ブルゴーニュの“花道”とも言える、 GrandCruマジ・シャンベルタンを始点、 ロマネ・コンティを終点とする「グランクリュ街道(Route des Grands Crus)」が通っています。 

重要なAOCの個性とGrandCruについて解説します。

ジュブレ・シャンベルタン 

力強く、黒系果実味がたっぷり、フルボディの「男性的」なワイン。

香りには、鉄っぽさ、アニマル香 が漂います。

GrandCruは、下記の9つ。

  1. シャンベルタン
  2. シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ
  3. マジ・シャンベルタン
  4. リュショット・シャンベルタン
  5. ラトリシエール・シャンベルタン
  6. シャペル・シャンベルタン
  7. グリオット・シャンベルタン
  8. シャルム・シャンベルタン
  9. マゾワイエール・シャンベルタン 

モレ・サンドニ

フルーティで若くからバランスの良いワイン。

円やかでふくよかなタッチ。

斜面の上中下にクラス別に畑が帯状に連なる。

GrandCru は、下記の5つ。

  1. クロ・ド・ラ・ロッシュ
  2. クロ・サン・ドニ
  3. クロ・デ・ランブレイ
  4. クロ・ド・タール
  5. ボンヌ・マール

シャンボールミュジニー

まさしく、シルキーな優雅さ。

美しい酸が果実味を膨らませ芳醇にしていきます。

まさに「麗しき女性のような」繊細なワイン。

ただ、モレ・サンドニに近い畑は少し「マッチョ」になります。

GrandCru は 、下記の2つ。

  1. ボンヌマール
  2. ミュジニー

ヴージョ

1つのGrandCru が大部分を占める特異なAOC。

強すぎず弱すぎずリッチで、ふくよかなワイン。 

香りにはチョコレートのニュアンスがあります。

比較的早熟なワインです。

GrandCru は、「クロ・ド・ヴージョ」ひとつ。

ヴォーヌ・ロマネ

果実味、酸、タンニンのバランスが素晴らしく、まさに官能的

紅茶、 きのこ、スーボワ(腐葉土)、なめし皮の香りが上品に漂います。

GrandCru は 、下記の8つ。

  1. エシェゾー
  2. グラン・ゼシェゾー
  3. ロマネ・コ ンティ
  4. ラ・ターシュ
  5. リッシュブール
  6. ロマネ・サンヴィヴァン
  7. ラ・ロマネ
  8. ラ・グランド・リュー 

ニュイ・サンジョルジュ

果実味主体でボリューム感のある、黒い土の香りが強いワイン。

ただ、村落を挟んで北側の畑のワインはやや軽快となり、ヴォーヌロマネ的なニュアンスを備えています。

GrandCru は「無し」。 

今回のおすすめワイン

品種比率:全てピノ・ノワール100%

  • 2020年ドメーヌ フェヴレ ブルゴーニュ・ルージュ
    若き当主エルワンが比較的早いうちに飲み頃を迎え、かつ長期の熟成もでき得るワインへとスタイルを劇的に進化させたドメーヌ。

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感想(2件)

  • 2020年ドメーヌ フェヴレ ニュイ・サン・ジョルジュ レ・モントロジエ

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感想(0件)

  • 2020年ドメーヌ フェヴレ ジュヴレ シャンベルタン V.V.

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感想(0件)

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